中小企業診断士、ITコーディネータ 佃 仁
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2006.02.06 バランス・スコアカード セミナー 受講記 |
先日、ITコーディネータ協会主催セミナー「バランス・スコアカード概説・実践」を受講してきました。 講師は、日本での第一人者である吉川武男教授です。
吉川教授のBSC(バランス・スコアカード)講座
今回は、バランス・スコアカードについて解説します。基本的な内容は、前述の吉川教授のBSC(バランス・スコアカード)講を参考にしてください。ここでは、少々私見的に解説します。
バランス・スコアカードとは? バランス・スコアカードは、戦略的な経営を支援するひとつの方法論で、その特徴は経営の多面性を網羅し、計画・実行・評価を実施するところにあります。ここでいう経営の多面性とは、会社を運営していくためには、経営資源(人・物・カネ)を最適に配分し、様々な利害関係者(ステークホルダー:株主、顧客、従業員、取引先、社会、環境・・・))を調整することをさします。バランス・スコアカードは、これらの経営の多面性のバランスを上手くとることにより、短期的、中長期的な視点に立った経営を実現するシステムです。すなわち、過去(財務諸表)・現在(顧客の反応、売上げ)・未来(人材の教育や先行投資)の状態をモニタリングし、経営をナビゲートすることが可能になります。
もうひとつ、優れた点があります(バランス・スコアカードを導入する場合、どちらかというとこの点が重要です)。バランス・スコアカードの導入では、経営戦略を従業員と共に作成し、従業員のレベルまで落とすことを行います。欧米の場合は、個人レベルまで落とすことが可能ですが、日本の場合はチームレベルまでで止める方が上手くいくそうです。どちらにしろ、計画作成に参加することにより、モチベーションが高まります。人を動かすということの基本ではないでしょうか。また、こうした導入作業による組織としての情報共有は、大企業より小回りの利く中小企業で威力を発揮します。
視点 バランス・スコアカードの導入作業では、その企業にあった視点を選択しますが、次の4つの典型的な視点が用意されています。 @財務の視点(例えば、売上高、純利益、投資利益率、EVA) A顧客の視点(例えば、新規顧客獲得率、顧客定着率、市場占有率、納期の厳守) B業務プロセスの視点(例えば、新製品開発件数、生産のリードタイム、製品コスト、不良品) C人材と変革の視点(例えば、教育訓練費、従業員のボーナス、従業員満足度、提案件数) これらの視点は、通常の営利企業であれば、間違いなく使用する視点です。この四つの視点は、非常によく抽象化されていますし、扱いやすいスケールです。日本的な経営では、企業を社会の中の奉仕機関と考え、「社会・環境の視点」を独立させても良いかと思います(顧客や業務プロセスの視点に含めることも可能です)。
これらの各視点について、「戦略目標」「重要成功要因(CSF)」「業績評価指標(KPI)」「数値目標(ターゲット)」「アクションプラン」を立て、達成度をモニタリングし評価します。 視点を考える場合、利害関係者について洗い出してみるのも一つの方法です。一つの視点に様々な利害関係者が存在する場合があります。また、利害関係者の立場で見たつもりがこちらの都合で解釈されている場合もあります。
| BSCの視点 |
利害関係者(ステークホルダー) |
| 財務の視点 |
株主、投資家、経営者、行政、マスコミ |
| 顧客の視点 |
顧客、業界、地域社会、環境 |
| 業務プロセスの視点 |
関連グループ会社、取引企業、社内組織、金融機関 |
| 人材と変革の視点 |
従業員、パート従業員、アウトソーシング先 |
戦略マップ バランス・スコアカードでは、これらの視点の「重要成功要因」「業績評価指標」因果関係を明確にすることが重要になります。因果関係を明確にすることにより、各視点が時系列となり、経営をナビゲートすることが可能になります。因果関係をどのような基準で設定するか、戦略マップをどこまで詳細に落とし込むかは、その会社の業種・業態、組織レベルによります。こうして、視点間の因果関係が明確になることにより、視点の時制、すなわち過去(財務の視点)・現在(顧客の視点、業務プロセスの視点)・未来(人材と変革の視点)のモニタリングの視点がはっきりします。 まさに、バランス・スコアカードとは、戦略志向のナビゲーション経営システムです。
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